音のコード(Chord)プログラムの(Code)とややこしくなるため、プログラムコードは「 Code」と英語にて表記します。

[Series] はじめてのTidal Cycles : Part.10

この記事では、Tidal Cycles のコード(Chord)の利用法とテクニックについて学びます。

コードについて簡単な説明を加えていますが、音楽制作初心者の方は、他、音楽に関する書籍やWebなどで音楽制作の基礎を学ぶと良いかもしれません。あとがきにて音楽制作の基本が学べる面白かったサイトのリンクを貼っています。

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Index/目次
【 Chords/コード (和音)】
Chord list(コードリスト)
オクターブの変更
コードの転回
コードの音の数を変える
オープンボイシング/Open Voicing
コード音をシャープ・フラットに変える
演算子によるパターン化
あとがき と おすすめサイト

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【Chords/コード:和音】

コードとは、2音以上の音を同時に鳴らすハーモニーです。日本語では「和音」と言います。

基本的には3和音(トライアド)を使用しますが、4和音(セブンスコード)や5和音(テンションコード)、それ以上も利用できます。

コードはルート音(最初の音)に積み上げて構成します。例えば、Cメジャーコードは、C と E と Gで、ルート音は最初の C になります。

Chord list(コードリスト)

Tidal Cycles で利用できるコードリストです。基本のコード、メジャーコード(major)・マイナーコード(minor)・ディミニッシュトコード(dim)・オーギュメントコード(aug)など、その他様々なコードが略式表記にて利用できます。

< Chord List >

major maj aug plus sharp5 six 6 sixNine six9 sixby9 6by9 major7 maj7 major9 maj9 add9 major11 maj11 add11 major13 maj13
 add13 dom7 dom9 dom11 dom13 sevenFlat5 7f5 sevenSharp5 7s5 sevenFlat9 7f9 nine eleven 11 thirteen 13 minor min diminish
ed dim minorSharp5 msharp5 mS5 minor6 min6 m6 minorSixNine minor69 min69 minSixNine m69 mSixNine m6by9 minor7flat5 min7f
lat5 m7flat5 m7f5 minor7 min7 m7 minor7sharp5 min7sharp5 m7sharp5 m7s5 minor7flat9 min7flat9 m7flat9 m7f9 minor7sharp9 m
in7sharp9 m7sharp9 m7s9 diminished7 dim7 minor9 min9 m9 minor11 min11 m11 minor13 min13 m13 one 1 five 5 sus2 sus4 seven
Sus2 7sus2 sevenSus4 7sus4 nineSus4 ninesus4 9sus4 sevenFlat10 7f10 nineSharp5 9s5 m9sharp5 m9s5 sevenSharp5flat9 7s5f9 
m7sharp5flat9 elevenSharp 11s m11sharp m11s

コードの使い方は、ルート音の後に ’ クォーテーションつけ、コードを記載します。下記例になります。

< Examples >


d1 $ n "c'maj e'min" # sound "superpiano"

上記は、ルート音 C にメジャーコード、E にマイナーコードを利用しています。

オクターブの変更

音の高低を決めるオクターブを変更できますオクターブの変更はルート音の後に数字を加えます。デフォルの数値はになります。


d1 $ n "c5'maj e6'min" # sound "superpiano"

オクターブとは12音のひとかたまりを言います。ピアノの鍵盤で、C(ド)からはじまった場合、B(シ)までの白鍵盤7つと黒鍵盤5つの系12音になります。

コードの転回

コードの転回とは、同じCメジャーコードでも、C E G(ドミソ)・E G C(ミソド)・G C E(ソドミ) と並べ方で3種類あります。

それを転回とよび、ルート音がはじめにくるものから順に、基本形(C E G)第1転回形(E G C)第2転回形(G C E)と呼びます。4和音の場合は、第3転回形もあり4種類あります。

転回の使い方は、コードに ’ クォーテーションをつけ i をつけます。

i が1つだと第1転回形ii と2つだと第2転回形となります。

Tidal Cyclesの場合、転回ごとに音程が上がっていきます。

< Examples >


d1 $ n "c'maj'ii" # s "superpiano"

上記は、Cメジャーコードの第2転回形、G C E となります。下記と同じ音になります。


d1 $ n "[g5, c6, e6]" # sound "superpiano"

コードの音の数を変える

同じコードの転回内で音を増やすことができます。

’ クォーテーションの後に、音の数を指定します。1 であれば 1 音、2 であれば 2 音…となります。

< Examples >


d1 $ n "c'maj'5" # s "superpiano"

上記は、Cメジャーコードの5音になります。下記と同じ音になります。


d1 $ n "[c5, e5, g5, c6, e6]" # sound "superpiano"

オープンボイシング/Open Voicing

ボイシングとはコード内の音の並べ方です。また、オープンボイシングは、オクターブを超えて間が開くボイシングです。Tidal Cycles では、1音と3音が1オクターブ下がります。

ちなみに、逆のクローズドボイシングと言われるものはオクターブ内でのコード、いわゆる通常のコードがそれにあたります。


d1 $ n "c'major'o" # s "superpiano"

上記は、Cメジャーコードの1音と3音を下げたオープンボイシング、下記と同じ音になります。


d1 $ n "[c4, e5, g4]" # sound "superpiano"

コード音をシャープ・フラットに変える

コード音をシャープ・フラットと半音の上げ下げができます。
ルート音の後に、シャープは s 、フラットは f をつけます。


d1 $ n "cs'maj cf'maj" # s "superpiano"

上記は、Cメジャーのシャープとフラットを当てたものです。下記と同じ音になります。


d1 $ n "[cs5, es5, gs5] [cf5, ef5, gf5]" # sound "superpiano"

演算子によるパターン化

音にコードを |+ を使い足し合わせパターンを作ることができます。


d1 $ n ("c e g" |+ "<'maj 'min>") # sound "superpiano"

上記は、c e g の構造を取りメジャーとマイナーを交互に足し合わせています。 下記のコードと同じになります。


d1 $ n "<[c'maj e'maj g'maj] [c'min e'min g'min]>" # sound "superpiano"

あとがき と おすすめサイト

Tidal Cycles のコードの使い方についてざっくりまとめましたが、音楽制作初心者には色々と覚える事がたくさんあります。

Abletonから音楽制作の基礎が学べるサイトが無料公開されていました。実例を交えた説明が面白かったのでシェアします、初心者の方や気になる方いましたらどうぞ。

Learning Music by Ableton(日本語)(Ableton Web site)

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