[Series] はじめてのTidal Cycles : Part.11

この記事では、Tidal Cycles のスケール(音階)について学びます。スケールの簡単な概要とTidal Cyclesで利用できるファンクションを学びます。

ーーーーー
Index/目次
【 Scales/スケール 】
scale

scaleList(スケールリスト)
getScale

toScale

あとがき
ーーーー

【 Scales/スケール :音階】

スケールとは、簡単に言えば「音の並び」です。1オクターブ12音をひとまとまりとし、その中の音の並び方の事を言います。日本語でいう「音階」です。

音の並びとは、キーとキーのそれぞれの間を示し、全音(Whole Step)または、半音(Half Step)を並べていきます。

最も一般的で誰でも知っている Cメジャースケールドレミファソラシド、その並びは、全・全・半・全・全・全・半 と表されます。

メジャースケールの並びは、全・全・半・全・全・全・半 という規則に沿って構成され、上記の鍵盤はC(ド)の音から始まるので Cメジャースケール になります。

また、始まる位置を変えると別のメジャースケールになり、他のキーも同様に全・全・半・全・全・全・半の規則にしたがって構成します。

下記は Dメジャースケール です。

全・全・半・全・全・全・半 のようなスケールには並べ方たくさんありますが、全部知る必要はないかと思うので、気になるスケールを試し、それぞの特徴を聴き比べるのも良いです。

Tidal Cyclesではこれらスケールを明示的に利用することができます。

scale

< Description >

scale の使い方は、n の後を ( ) で囲み、“スケール名”“音”を選択してします。

< Examples >


d1 $ slow 2 $ n (scale "major" "0 .. 7") # sound "superpiano"

上記例では、シンセ(”superpiano”)のメジャースケール(”major”)を利用して、ドラミファソラシド(”0 .. 7″)を奏でています。分かりやすくslow 関数を加え、ゆっくりにしています。

scaleList

下記、Tidal Cycles で今現在利用できるスケールのリストです。

< Scale List >

minPent majPent ritusen egyptian kumai hirajoshi iwato chinese indian pelog 
prometheus scriabin gong shang jiao zhi yu whole augmented augmented2 hexMajor7 
hexDorian hexPhrygian hexSus hexMajor6 hexAeolian major ionian dorian phrygian 
lydian mixolydian aeolian minor locrian harmonicMinor harmonicMajor melodicMinor 
melodicMinorDesc melodicMajor bartok hindu todi purvi marva bhairav ahirbhairav 
superLocrian romanianMinor hungarianMinor neapolitanMinor enigmatic spanish 
leadingWhole lydianMinor neapolitanMajor locrianMajor diminished diminished2 
chromatic

代表的なものは、メジャースケール(major)・リディアンスケール(lydian)・メジャーペンタトニックスケール(majPent)・ナチュラルマイナースケール(minor)・ハーモニックマイナースケール(harmonicMinor)・メロディックマイナースケール(melodicMajor)・ドリアンスケール(dorian)・フリジアンスケール(phrygian)・ミクソリディアンスケール(mixolydian)・ディミニッシュスケール(diminished) などなど。

getScale

< Description >

getScale では、独自のスケールを制作し利用することができます。

< Examples >


let scale = getScale (scaleTable ++ [("techno", [0,2,3,5,7,8,10]),
                                       ("broken", [0,1,4,7,8,10])
                                      ])

上記は、scale に、techno や broken といったスケールを格納しています。利用は、scale に使いたいスケール名を与えて利用します。

[ ] 角括弧内に , カンマで区切って利用します。scaleTable ++ や 複数のスケールの際 , カンマ を忘れずに。


d1 $ n (scale "techno" "0 1 2 3 4 5 6 7") # sound "superpiano"

toScale

< Description >

toScale では、スケール名をつけずに利用することができます。[ ] 角括弧内 , カンマで区切って利用します。

< Examples >


d1 $ n (toScale [0,2,3,5,7,8,10] "0 1 2 3 4 5 6 7") # sound "superpiano"

toScale の後、[ ] 角括弧内に独自のスケールを入れ、” ” 内に演奏する要素を入れます。

あとがき と おすすめサイト

Tidal Cycles のスケールリストはこれからも追加されていくかと思います。また、音楽制作初心者には色々と覚える事がたくさんあり大変ですが、好きなものから少しづつ利用し音を楽しみながら進めていければと思います。

前の投稿でも追記しましたが、Abletonから音楽制作の基礎が学べるサイトが無料公開されています。実例を交えた説明が面白かったのでシェアします、初心者の方や気になる方いましたらどうぞ。

Learning Music by Ableton(日本語)(Ableton Web site)

参考/Tidal Cycles Webサイト:Harmony & Melody

barbe_generative_library

サウンドプロダクション入門 DAWの基礎と実践

SoundProduction_DTM-header

初版/ 2021.3.23
ページ数/208ページ
出版社/ビー・エヌ・エヌ
言語/日本語

【Amazon.co.jp で購入】

ーーーーー
”Books”では、”barbe_generative_Library”として、
barbe_generative_diary の創作において実際に購入し、読んだ本を紹介します。

ーーーーー

Try Apple Music