Mini Notation を後で見返すための保存用としてまとめています。(随時更新します。)内容は、Tidal Cycles公式サイトのリファレンス内容を参考に日本語翻訳ですが、分かりやすく図も合わせて記載していきます。

Mini Notationを学ぶことは、Tidal Cyclesで音楽を作る方法を学ぶために不可欠です。この記法は、むしろ直感的なものです。これらすべての例を試し、表記がパターンにどのような効果をもたらすかを理解することをお勧めします。

SymbolDescriptionExampleEquivalent
~
休符d1 $ s “~ hh”
[ ]
グループ化d1 $ s “[bd sd] hh”d1 $ fastcat [s “bd sd”, s “hh”]
.
グループ化(省略)d1 $ s “bd sd . hh hh hh”d1 $ s “[bd sd] [hh hh hh]
,
並列再生d1 $ s “[bd sd, hh hh hh]”d1 $ stack [s “bd sd”, s “hh hh hh”]
*
乗算d1 $ s “bd*2 sd”d1 $ s “[bd bd] sd”
/
スローダウン・除算d1 $ s “bd/2”d1 $ s (slow 2 $ “bd”)
|
選択d1 $ s “[bd |cp |hh]”
< >
交互d1 $ s “bd < sd hh cp >”d1 $ slow 3 $ s “bd sd bd hh bd cp”
!
複製d1 $ s “bd!3 sd”d1 $ s “bd bd bd sd”
_
音を伸ばすd1 $ s “bd _ _ ~ sd _”Results in pattern (0>1/2)|s: “bd” (4/6>1)|s: “sd”
@
音を伸ばすd1 $ s “superpiano@3 superpiano”d1 $ s “superpiano _ _ superpiano”
?
ランダムに削除d1 $ s “bd? sd”d1 $ fastcat [degradeBy 0.5 $ s “bd”, s “sd”]
:
音源の選択d1 $ s “bd:3”d1 $ s “bd” # n 3
( )
ユークリッドシーケンスd1 $ s “bd(3,8)”d1 $ euclid 3 8 $ s “bd”
{ }
ポリメトリックシーケンスd1 $ s “{bd bd bd bd, cp cp hh}”2nd pattern wraps: d1 $ stack [ s “bd*4”, s “cp cp hh cp” ]
{ }%
ポリメトリックシーケンス、分割d1 $ s “{bd cp hh}%8”Pattern wraps: d1 $ s “bd cp hh bd cp hh bd cp”

[ ] square bracket
角括弧【グループ】

【説明】
角括弧 [ ] で囲むことで、音のパターンをグループ化することができます。

d1 $ sound "bd [hc hc]"

【コード解説】
[hc hc]をグループ化し、bdと同じ間隔で演奏されます。[ ] 内では、hcの音数だけ分割されます。

【追記/別表記】
同じ演奏として、. period ピリオド を使用したコード入力もできます。下記コードは先ほどのコードと同じリズムです。. ピリオドを使用する際は、前後にスペースを入れてください。

d1 $ sound "bd . hc hc"

, comma
カンマ【並列再生】

【説明】
音と音の間を , (カンマ) で区切ることで、並列再生することができます。

d1 $ sound "[bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3]"

【コード解説】
bd sd と arpy:1 arpy:2 arpy:3 が並列して再生されます。
制作例としては、4つのバスドラムに重ねて、8つハイハットを入れるとエイトビートのドラムパターンなどを作ることができます。例)d1 $ sound “[bd*4, hc*8]”

* asterisk
アスタリスク【乗算】

【説明】
アスタリスク * は指定の音を乗算して演奏します。アスタリスク *の後ろに乗算したい数を指定します。

d1 $ sound "bd hc*3"

【コード解説】
[ ]と同様に、hc*3 がグループとしてbdと同じ幅の中でhcが3つ入ります。

上記コードは、“bd [hc hc hc]”と同じリズムになります。[ ]ではなく、数字として明記するので、何回入力したかがひと目でわかります。

/ slash
スラッシュ【スローダウン・除算】

【説明】
スラッシュ / は指定の音をスローダウンさせて演奏します。スラッシュ /の後ろにスローさせる回数を指定します。

厳密に言うとスローダウンというより、除算(分割)され音を出しています。後ほど解説。

d1 $ sound "bd/2"

【コード解説】
上記コードの場合、2回に1回 bd が再生されます。/3 とすると3回に1回になります。

先ほど、除算(分割)と言いましたが下記を参照してください。

d1 $ sound "[bd sd]/2 hc"

【コード解説】
グループ化された[bd sd]が交互に再生されます。いわゆる、/ スラッシュは、bdとsdを分け、[ ]の配列の順番にて演奏する指示になります。

< > angle bracket
山括弧【交互】

【説明】
山括弧 < >で囲まれた音とそうでない音が交互に演奏されます。山括弧 < >内の音は一つづつ順番に演奏されます。

d1 $ s "bd <sd hh cp>"

【コード解説】
bd , sd , bd , hh , bd , cp と交互に演奏されます。これは、d1 $ s “bd [sd hh cp]/3″と同様の演奏になります。

! exclamation mark
感嘆符【複製】

【説明】
感嘆符 ! は指定の音を複製して演奏します。感嘆符 !の後ろに複製したい数を指定します。
先ほどの * アスタリスクとは違い複製なのでグループ化はされず等間隔で演奏します。

d1 $ sound "bd!3 hc"

【コード解説】
複製なので、bdが3つに複製され、等間隔にて演奏されます。”bd bd bd hc”と同じリズムになります。

{ } curly bracket
波括弧【ポリメトリックシーケンス】

【説明】
ポリメトリックとは、リズムの異なる音が同時に演奏されることです。

d1 $ sound "{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3}"

【コード解説】
bd sd にタイミングを合わせる形で、arpy:1 arpy:2 arpy:3の順に再生されます
, (コンマ)と比べると分かる通り、並行して重なる音のタイミングを合わせ再生されています。

{ }% curly bracket + percent sign
波括弧+パーセント【ポリメトリックシーケンス、分割】

【説明】
{ } %は指定の数だけ分割し演奏します。{ } %の後ろに分割させる数を指定します。また、分割されるので数が大きいほどテンポが速くなります。

d1 $ sound "{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3}%8"

【コード解説】
“” 内が8分割され bd sd とともに、{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3} が順番に演奏されます。

ユークリッドシーケンス例

-- The Euclidean Algorithm Generates Traditional Musical Rhythms by Toussaint

(2,5) : 13世紀のペルシャのリズム、Khafif-e-ramal
(3,4) : コロンビアのクンビアとトリニダードのカリプソの典型的なパターン
(3,5,2):13世紀のペルシャのリズムKhafif-e-ramalや、ルーマニアのフォークダンスのリズム
(3,7):ブルガリアの民族舞踊に使われるルシェニッツァのリズム
(3,8) :キューバのトレシージョ・パターン
(4,7) : ブルガリアの民俗舞踊のもう1つのルチェニッツァのリズム
(4,9) : トルコのアクサク(Aksak)リズム
(4,11) : Frank Zappaが「Outside Now」という曲で使用した拍子記号
(5,6) : アラブのポピュラーなリズム、ヨーク・サマイ・パターン
(5,7) :同じくアラブのポピュラーなリズム、ナワカートパターン
(5,8) :キューバのチンクイロパターン
(5,9) : アグサーグ・サマイと呼ばれるアラブのポピュラーなリズム
(5,11) : ムソルグスキーが「展覧会の絵」で使用した拍子記号
(5,12) : 南アフリカの子供の歌のヴェンダ拍子パターン
(5,16) : ブラジルのボサノバ・リズム・ネックレス
(7,8) : ベンディール(枠太鼓)で演奏される典型的なリズム
(7,12) : 西アフリカの一般的な鐘のパターン
(7,16,14) : ブラジルのサンバのリズムのネックレス
(9,16) : 中央アフリカ共和国で使われているリズムネックレス
(11,24,14) : 中央アフリカの赤毛のピグミー族のリズム・ネックレス
(13,24,5) : 上サンガのアカ・ピグミー族のリズム・ネックレス

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フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う

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初版/ 2022.4.26
ページ数/302ページ
出版社/フィルムアート社
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