Date:2024-08-06
ZOOM F3|The Best Compact Field Recorder!
ZOOM『F3』はコンパクトなセティングにとても優れたレコーダーです。本体は手のひらサイズ、ベロクロで腕やブームマイクに取り付けることができ、身軽にレコーディングが行えます。ゲインの調整する必要もないのでビギナーにとっても扱いやすいレコーダーです。私はコンタクトマイクやハイドロフォンなどでの録音でも度々使用しています。
✓ これはスポンサー付きのレビューではありません。
本記事では、ZOOM『F3』について実際に購入してからの使い勝手でのレビューです。
レビュー結果を先に言うと、XLRバランス入力、32bit float録音、このコンパクトさは唯一無二です。実際多重録音をする必要がない現場にはこれ一台で十分です。入力が2つしかないのでステレオ録音または、コンタクトマイクやハイドロフォンなどの特殊マイクを使用する時に重宝しています。できることが限られているのはある意味とても使いやすく便利です。
概要|Overview
ZOOM『F3』 Field Recorder
- Input(入力)2ch / XLR バランス/ファンタム電源(+24 / +48 V)
- Output(出力)2ch / PHONE, LINE
- 録音フォーマット/44.1/48/ 88.2/96/192 kHz、32-bit Float mono/stereo
- メディア/microSD 最大1TB(要確認)
概要については下記がZOOM公式説明。
- ゲイン調整不要で音割れなし、32bitフロートレコーダー
ZOOM『F3』は、“失敗のないレコーディング”を目指して開発された、2系統のXLRバランス入力を備える業務用フィールドレコーダー。ローゲイン用とハイゲイン用2つのADコンバータ(デュアルADコンバータ)を搭載し、大音量でも音割れなく、微小な音でも高いS/N比を実現します。入力信号は録音時の解像度を保持できる32bitフロートのWAV形式で記録され、録音後にノーマライズ処理を行っても、元の解像度を保った劣化のない音を再現。
録り逃せない音を、確実に録る。ZOOM『F3』。
下記、固体振動音の録音例。(Geofón – LOM Audio)
音が予想しずらいフィールドレコーディングの現場や初心者にも扱いやすい。
通常のフィールドレコーディングでは、音割れやノイズなどを抑えるため、適切な入力レベルの設定を行います。一般的な適切なレベルは、狙った音にマイクを向けた時、-12dbを基準にゲインを調整し録音を行います。
zoom F3ではデュアルADコンバータと32bit floatによりゲイン調整を調整することなく、現場にて電源を入れるだけで録音できます。音が予想しずらいフィールドレコーディングの現場において、ゲインによる音割れの心配をする必要がないのは、初心者にとっても扱いやすい機器です。
- デュアルADコンバータ
ZOOM F3では、ローゲイン用とハイゲイン用2つのADコンバータ(デュアルADコンバータ)を搭載しています。通常の現場では、録音対象の音の大きさに応じて音声信号のゲインレベル調整を行います。ローゲインは大きな音に対し音声信号を抑えるためゲインのレベルを低くします。逆にハイゲインは小さな音に対し音声信号を増幅するためゲインのレベルを上げます。zoom F3では2つのADコンバータにより、大音量でも音割れなく、微小な音でも高いS/N比にてセルフノイズを抑えることができます。 - 32bit float
小さな音から大きな音まで忠実に録音できる録音フォーマットです。オーディオレコーディングにおけるbit数(ビット深度)は、音を歪ませることなく捉えるダイナミックレンジを表します。特に小さな音を細かく記録しているので、録音後にノーマライズ処理を行っても、元の解像度を保った劣化のない音を再現することができます。
⚠️デュアルADコンバータと32bit floatにて、レコーダーとしては音割れ等がない忠実な録音が可能ではありますが、マイク側の仕様も確認が必要です。
必要最低限の機能に手のひらに収まるレコーダー。
デザインとビルドクオリティ
Zoom F3は、コンパクトかつ頑丈なデザインが特徴です。最低限のステレオ録音のための2系統のXLRバランス入力、手のひらに収まるコンパクトさ魅力です。ベロクロで腕やブームマイクに取り付ける事ができ過酷なフィールドレコーディングに重宝します。アルミニウム製のボディは、衝撃や環境の変化にも強く、アウトドアでの使用に適しています。
入力と出力
2つのXLRバランス入力と2つのステレオミニジャック出力(PHONE・LINE)があります。コンデンサーマイクに必要なファンタム電源(+24/+48V)にも対応。録音フォーマットはwav形式、サンプリング周波数は44.1, 48, 88.2, 96, 192 kHzより選択。
操作性とインターフェース
Zoom F3は、直感的な操作が可能なシンプルなインターフェースを採用しています。大きなLCDスクリーンは視認性が高く、夜のフィールドレコーディング環境でも読みやすいバックライトが便利です。物理ボタンは堅牢で押しやすく、録音中の操作もスムーズに行えます。
バッテリーライフとストレージ
単三電池2本で8時間動作すると書かれているものが多くありますが、連続使用時間は使用条件にて変わります。実際のところ一般的な録音で、ファンタム電源を必要とするコンデンサーマイクの使用やモニターヘッドフォンを利用して録音したりなど行うと、2時間持つかどうかです。
マニュアルにも書かれてる例として、48 kHz / 32bit float、2ch、microSDカードへ録音、ヘッドフォン使用、ファンタム電源使用(48V, 5mA)の場合、アルカリ乾電池で約2時間ほどと記載されています。長時間録音が必要な場合は、USBバスパワーにも対応しているので、ポータブルバッテリーを使用することでさらに録音時間を延ばすことができます。記録メディアは、microSDカードを使用し、最大1TBに対応しています。
その他の機能
スマートフォン/タブレットによるワイヤレスでの操作も可能です。専⽤の無線アダプター(BTA-1 など)をF3に取り付け、専⽤のコントローラーアプリケーション「F3 Control」をインストールし使用します。また、オーディオインターフェースとして使用することもできます。
ZOOM F3|メリットとデメリット、まとめ
メリット
- コンパクトで使い勝手が非常に良い。
- 32bit float録音によりゲインを気にせずに使用できる。
- セッティングがとても楽。
デメリット
- 入力が2つしかないため、多重録音ができない。
- 電池使用では長時間録音には向かない。(外付けバッテリーをつけると良い)
- ゲイン調整ができないのでマイク感度によってはレベルを超えることがある。
ZOOM F3はその使い勝手から多くのフィールドレコーダーが愛用しています。機動力のあるサブレコーダーして1台あると、とても便利です。プロフェッショナルな音質を求めるユーザーから、初心者まで幅広い層におすすめできるフィールドレコーダーです。
追記として、小さなところですが、バッテリー部分には電池が取りやすいように帯がついており、電池を外すときこの帯を引っ張れば簡単に電池が外れます。何気ないところですが、プロダクトとしてユーザーへの丁寧な優しさが感じられ、個人的に好きな部分でした。
BGD_SOUNDS on bandcamp
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