フィールドレコーディングのマイクプラグは一般的に、XLR フォーン のどれかがついています。それらケーブル・コネクタの接続方法には大まかにバランス接続アンバランス接続があります。基本的にはXLRとフォーンのTRS(2本線が入ったもの)はバランス接続、フォーンのTS(1本線が入ったもの)やRACなどはアンバランス接続となっています。

Index

1 バランス接続とは?

1-1 バランス接続の仕組み

バランス接続は、ノイズ耐性に優れた接続方法です。主にプロフェッショナルなオーディオ機器や高級オーディオ機器で使用されます。この接続では、シグナルが2本(Hot / Cold)の導線を通じて送られます。この2本の信号は、プラス・マイナスと位相が反対しており、最終的に一方の位相を反転させ整えることで外部から入ったノイズを相殺する効果があります。

1-2 バランス接続のメリット

  • ノイズ耐性
    バランス接続は、ノイズを相殺する構造になっているため、外部の電磁干渉やノイズが入りにくく、クリアな録音が可能。
  • 長距離ケーブルの使用
    自然の中で録音する際には、マイクからレコーダーまでの距離が長くなることが多い。バランス接続は、長距離でも音質の劣化が少ないため、ケーブルを延長しても安心。
  • プロフェッショナルな装備
    高品質なマイクやレコーダー)の多くは、バランス接続に対応している。これにより、高い音質と信頼性が確保される。

1-3 バランス接続のデメリット

  • コスト
    ケーブルや機器が高価になりがち。
  • 接続の複雑さ
    配線が複雑になることがある。

1-4 バランス接続プラグ

  • XLRケーブル
    プロのオーディオ機器でよく使われる。
  • TRSケーブル
    ステレオ標準プラグ、モノラルでバランス接続として使用される。

2 アンバランス接続とは?

2-1 アンバランス接続の仕組み

アンバランス接続は、家庭用オーディオ機器や楽器で広く使用されています。また、ピエゾディスクをしようしているコンタクトマイクなどもアンバランスのものが多くあります。この接続方法では、シグナルが1本の信号線(Hot)とそれを取り巻くシールド(グランド)を通じて送られます。バランス接続と比べると、ノイズに対して劣ります。

2-2 アンバランス接続のメリット

  • コストとシンプルさ
    アンバランス接続は、ケーブルや機材が比較的安価で、接続もシンプル。予算が限られている場合や、機材を簡単にセットアップしたい場合に適している。
  • 軽量で持ち運びが容易
    フィールドレコーディングでは、機材を持ち運ぶことが多いため、軽量でコンパクトなアンバランス接続の機材は便利。
  • 近距離録音
    マイクとレコーダーの距離が近い場合、アンバランス接続でもノイズの影響は少ないため、問題なく使用できる。

2-3 アンバランス接続のデメリット

  • ノイズ耐性の低さ
    外部の電磁干渉やノイズが入りやすい。
  • 音質の劣化
    長距離伝送では音質が劣化しやすい。

2-4 アンバランス接続の例

  • TSケーブル
    エレキギターやキーボードなどの楽器で使用される。
  • RCAケーブル
    家庭用オーディオ機器で一般的。

3 バランス接続とアンバランス接続の比較

4 どちらを選ぶべきか?

4-1 用途による選択

バランス接続とアンバランス接続のどちらを選ぶかは、用途や環境によります。

  • プロフェッショナル用途
    音質やノイズ耐性が重要な場合、バランス接続を選ぶのが良い。
  • コスト面
    コスト面やシンプルさを重視する場合、アンバランス接続で十分。

4-2 距離による選択

ケーブルの長さも選択のポイントです。

  • 長距離伝送:バランス接続が推奨されます。長距離でもノイズ耐性が高く、音質が劣化しにくい。
  • 短距離伝送:アンバランス接続でも問題ありません。短距離ではノイズの影響も少ない。

フィールドレコーディングでは、バランス接続とアンバランス接続のどちらを選ぶかは録音環境や目的に応じたマイク選びによって適切な接続方法を選びます。また、ケーブルも様々な種類があり音質も異なります。

これらケーブルの仕組みを知っておくと、マイクだけでなく、ヘッドフォンやその他オーディオ機器等を繋ぐ際にも役立ちます。

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