Date:2022-05-31
[保存版] Tidal Cycles / Mini Notation まとめ /随時更新
Mini Notationは、さまざまな種類のパターン(note、サンプル、パラメーター)を記述するために使用するショートカット表記です。Mini Notationを使用することでシンプルなコード表記でさまざまなリズムを生成することができます。日本語訳のまとめ・保存用としての記事になります。

Mini Notation を後で見返すための保存用としてまとめています。(随時更新します。)内容は、Tidal Cycles公式サイトのリファレンス内容を参考に日本語翻訳ですが、分かりやすく図も合わせて記載していきます。
Mini Notationを学ぶことは、Tidal Cyclesで音楽を作る方法を学ぶために不可欠です。この記法は、むしろ直感的なものです。これらすべての例を試し、表記がパターンにどのような効果をもたらすかを理解することをお勧めします。
Symbol | Description | Example | Equivalent |
---|---|---|---|
~ | 休符 | d1 $ s “~ hh” | |
[ ] | グループ化 | d1 $ s “[bd sd] hh” | d1 $ fastcat [s “bd sd”, s “hh”] |
. | グループ化(省略) | d1 $ s “bd sd . hh hh hh” | d1 $ s “[bd sd] [hh hh hh] |
, | 並列再生 | d1 $ s “[bd sd, hh hh hh]” | d1 $ stack [s “bd sd”, s “hh hh hh”] |
* | 乗算 | d1 $ s “bd*2 sd” | d1 $ s “[bd bd] sd” |
/ | スローダウン・除算 | d1 $ s “bd/2” | d1 $ s (slow 2 $ “bd”) |
| | 選択 | d1 $ s “[bd |cp |hh]” | |
< > | 交互 | d1 $ s “bd < sd hh cp >” | d1 $ slow 3 $ s “bd sd bd hh bd cp” |
! | 複製 | d1 $ s “bd!3 sd” | d1 $ s “bd bd bd sd” |
_ | 音を伸ばす | d1 $ s “bd _ _ ~ sd _” | Results in pattern (0>1/2)|s: “bd” (4/6>1)|s: “sd” |
@ | 音を伸ばす | d1 $ s “superpiano@3 superpiano” | d1 $ s “superpiano _ _ superpiano” |
? | ランダムに削除 | d1 $ s “bd? sd” | d1 $ fastcat [degradeBy 0.5 $ s “bd”, s “sd”] |
: | 音源の選択 | d1 $ s “bd:3” | d1 $ s “bd” # n 3 |
( ) | ユークリッドシーケンス | d1 $ s “bd(3,8)” | d1 $ euclid 3 8 $ s “bd” |
{ } | ポリメトリックシーケンス | d1 $ s “{bd bd bd bd, cp cp hh}” | 2nd pattern wraps: d1 $ stack [ s “bd*4”, s “cp cp hh cp” ] |
{ }% | ポリメトリックシーケンス、分割 | d1 $ s “{bd cp hh}%8” | Pattern wraps: d1 $ s “bd cp hh bd cp hh bd cp” |
[ ] square bracket
角括弧【グループ】
【説明】
角括弧 [ ] で囲むことで、音のパターンをグループ化することができます。
d1 $ sound "bd [hc hc]"

【コード解説】
[hc hc]をグループ化し、bdと同じ間隔で演奏されます。[ ] 内では、hcの音数だけ分割されます。
【追記/別表記】
同じ演奏として、. period ピリオド を使用したコード入力もできます。下記コードは先ほどのコードと同じリズムです。. ピリオドを使用する際は、前後にスペースを入れてください。
d1 $ sound "bd . hc hc"
, comma
カンマ【並列再生】
【説明】
音と音の間を , (カンマ) で区切ることで、並列再生することができます。
d1 $ sound "[bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3]"

【コード解説】
bd sd と arpy:1 arpy:2 arpy:3 が並列して再生されます。
制作例としては、4つのバスドラムに重ねて、8つハイハットを入れるとエイトビートのドラムパターンなどを作ることができます。例)d1 $ sound “[bd*4, hc*8]”
* asterisk
アスタリスク【乗算】
【説明】
アスタリスク * は指定の音を乗算して演奏します。アスタリスク *の後ろに乗算したい数を指定します。
d1 $ sound "bd hc*3"

【コード解説】
[ ]と同様に、hc*3 がグループとしてbdと同じ幅の中でhcが3つ入ります。
上記コードは、“bd [hc hc hc]”と同じリズムになります。[ ]ではなく、数字として明記するので、何回入力したかがひと目でわかります。
/ slash
スラッシュ【スローダウン・除算】
【説明】
スラッシュ / は指定の音をスローダウンさせて演奏します。スラッシュ /の後ろにスローさせる回数を指定します。
厳密に言うとスローダウンというより、除算(分割)され音を出しています。後ほど解説。
d1 $ sound "bd/2"

【コード解説】
上記コードの場合、2回に1回 bd が再生されます。/3 とすると3回に1回になります。
先ほど、除算(分割)と言いましたが下記を参照してください。
d1 $ sound "[bd sd]/2 hc"

【コード解説】
グループ化された[bd sd]が交互に再生されます。いわゆる、/ スラッシュは、bdとsdを分け、[ ]の配列の順番にて演奏する指示になります。
< > angle bracket
山括弧【交互】
【説明】
山括弧 < >で囲まれた音とそうでない音が交互に演奏されます。山括弧 < >内の音は一つづつ順番に演奏されます。
d1 $ s "bd <sd hh cp>"

【コード解説】
bd , sd , bd , hh , bd , cp と交互に演奏されます。これは、d1 $ s “bd [sd hh cp]/3″と同様の演奏になります。
! exclamation mark
感嘆符【複製】
【説明】
感嘆符 ! は指定の音を複製して演奏します。感嘆符 !の後ろに複製したい数を指定します。
先ほどの * アスタリスクとは違い複製なのでグループ化はされず等間隔で演奏します。
d1 $ sound "bd!3 hc"

【コード解説】
複製なので、bdが3つに複製され、等間隔にて演奏されます。”bd bd bd hc”と同じリズムになります。
{ } curly bracket
波括弧【ポリメトリックシーケンス】
【説明】
ポリメトリックとは、リズムの異なる音が同時に演奏されることです。
d1 $ sound "{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3}"

【コード解説】
bd sd にタイミングを合わせる形で、arpy:1 arpy:2 arpy:3の順に再生されます。
, (コンマ)と比べると分かる通り、並行して重なる音のタイミングを合わせ再生されています。
{ }% curly bracket + percent sign
波括弧+パーセント【ポリメトリックシーケンス、分割】
【説明】
{ } %は指定の数だけ分割し演奏します。{ } %の後ろに分割させる数を指定します。また、分割されるので数が大きいほどテンポが速くなります。
d1 $ sound "{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3}%8"

【コード解説】
“” 内が8分割され bd sd とともに、{bd sd, arpy:1 arpy:2 arpy:3} が順番に演奏されます。
ユークリッドシーケンス例
-- The Euclidean Algorithm Generates Traditional Musical Rhythms by Toussaint
(2,5) : 13世紀のペルシャのリズム、Khafif-e-ramal
(3,4) : コロンビアのクンビアとトリニダードのカリプソの典型的なパターン
(3,5,2):13世紀のペルシャのリズムKhafif-e-ramalや、ルーマニアのフォークダンスのリズム
(3,7):ブルガリアの民族舞踊に使われるルシェニッツァのリズム
(3,8) :キューバのトレシージョ・パターン
(4,7) : ブルガリアの民俗舞踊のもう1つのルチェニッツァのリズム
(4,9) : トルコのアクサク(Aksak)リズム
(4,11) : Frank Zappaが「Outside Now」という曲で使用した拍子記号
(5,6) : アラブのポピュラーなリズム、ヨーク・サマイ・パターン
(5,7) :同じくアラブのポピュラーなリズム、ナワカートパターン
(5,8) :キューバのチンクイロパターン
(5,9) : アグサーグ・サマイと呼ばれるアラブのポピュラーなリズム
(5,11) : ムソルグスキーが「展覧会の絵」で使用した拍子記号
(5,12) : 南アフリカの子供の歌のヴェンダ拍子パターン
(5,16) : ブラジルのボサノバ・リズム・ネックレス
(7,8) : ベンディール(枠太鼓)で演奏される典型的なリズム
(7,12) : 西アフリカの一般的な鐘のパターン
(7,16,14) : ブラジルのサンバのリズムのネックレス
(9,16) : 中央アフリカ共和国で使われているリズムネックレス
(11,24,14) : 中央アフリカの赤毛のピグミー族のリズム・ネックレス
(13,24,5) : 上サンガのアカ・ピグミー族のリズム・ネックレス
barbe_generative_library
フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う

初版/ 2022.4.26
ページ数/302ページ
出版社/フィルムアート社
言語/日本語
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”Books”では、”barbe_generative_Library”として、
barbe_generative_diary の創作において実際に購入し、読んだ本を紹介します。
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