Contact Microphones|コンタクトマイク

普段、私たちは空気中の音(音圧)を耳で捉え聴く事ができます。一般的に使用されるマイクはそれらの音圧を電気信号に変換し録音しますが、コンタクトマイクは固体振動を電気信号に変換し録音します。

固体音についての記事は下記にてまとめています。
固体の音と液体の音|Contact Microphone and Hydrophone

コンタクトマイクにはピエゾ素子(圧電素子)がよく使用されています。構造はとても単純で、この圧電素子に物理的圧力(ストレス)がかかると電荷し、逆に電流を流すと振動します。このため、振動を拾うコンタクトマイクや音のなるブザーなどに使用されます。(“ピエゾ ”という言葉は、“圧力”を意味するギリシャ語から生まれた。)

Index

DIY Contact microphone

ピエゾ素子を使った最もシンプルなコンタクトマイクの作り方。

準備するもの

ピエゾディスクを利用したコンタクトマイクは比較的安価で手に入りやすい材料で制作することができます。最低限必要な素材は、ピエゾディクスケーブルプラグのみです。

最もシンプルに制作する例に、Zach Poffが公開しているシンプルなコンタクトマイクの制作方法があります。その制作方法ベースにアレンジを加えたコンタクトマイクを制作します。

Parts|パーツリスト

下記、パーツリストは参考として、ピエゾ素子は電子屋などで1枚数十円で買うことができます。

  • ピエゾディスク 27mm
    リード線付きのディスク27mm。
  • ケーブル MOGAMI / 2893(バランス)または MOGAMI / 2524 ギターシールド(アンバランス)
    ケーブルはオーディオケーブルであればなんでも可。バランスでもアンバランスでもどちらでも良いが細いほうが使い勝手が良い。(本記事は余っていた2524のアンバランスを使用。)
  • プラグ
    インプットに合わせて選ぶ。記事内ではインピーダンス変換器に合わせるため6.3mm(1/4インチ)フォーンプラグを使用。
  • フェルト 30mm
    テーブルや椅子の傷防止用で売られている円形のフェルト。ピエゾディスクが収まるもの。
  • グルーガン
    ケーブル等の固定に利用。ピエゾ素子は熱に弱いため注意が必要。
  • アルミ箔
    ハムノイズ除去シールドに使用。

Tools |ツールリスト

⚠️ 注意事項
この記事の内容は、あくまでも参考情報として提供されるものです。制作や実施等においての怪我や事故などないように十分に注意してください。それら生じる損害等は自己の責任にて行ってください。

ピエゾディスクの取り扱い参考

Step 1. ケーブルの準備

マイクに使用するケーブルは、アンバランス・バランスともに信号線のついたオーディオケーブルであれば何でも使用可。必要な長さのケーブルを準備(記事では実験のため1m 程)。マイクとプラグをつけるため、ケーブルの両端の被覆を15mmほど取り除いておく。

芯線が1本のアンバランスケーブルの場合、外側のシールドをまとめねじっておく。芯線の被覆も5mmほど取り除く。

芯線が2本または4本などのバランスケーブルはバランスで使用の場合はホット・コールド・グランドにわけてまとめておく、アンバランスで使用の場合はコールドは使用しないのでカット。

Step 2. プラグ接続

インプットに合わせて準備する。記事内では2極のフォーンプラグを使用。フォンプラグ内部、2極の場合、短い方が Tip (信号線)、長い方が Sleeve (グランド)にて使用。※3極の場合、Tip (Hot/正相)、Ring (Cold/逆相)、Sleeve (グランド)で使用する。

あらかじめ根本部分をケーブルに通し、コネクタに収まるようにケーブルを調整する。2極の場合は端子が短いTipに芯線を、長いSleeveにシールド線をそれぞれハンダ付けする。ハンダ付けのポイントは、あらかじめフォン端子側の接続部分とケーブル線にそれぞれ予備ハンダをしておく。ハンダ付けは接続部数秒加熱してからハンダを流す。

プラグのハンダ付けが終わったら、プラグの根本部を閉め、ケーブルに通してあった根本部分を合わせて仕上がり。

Step 3. ピエゾディスク側の準備と配線

フェルトに切り込みを入れピエゾディスクからの2本の線を通し、フェルトをピエゾディスクのセラミック側に貼り付ける。

ピエゾ素子のセラミックから伸びる線(赤)に芯線金属ディクスから伸びる線(黒)にシールド線をそれぞれハンダ付けする。テスターがあれば導通確認を行っておくとよい。また、ショート回避のため絶縁テープまたは圧縮チューブなどがあれば芯線の接続部に巻いておく。

グルーガンを使用し、ケーブルをフェルトを接着する。その後、ケーブル部分を囲むようにカットしたフェルトを貼り付け隙間にグルーを盛って補強する。

Step 4. シールド(ハウジング)

マイク全体をアルミ箔で覆いシールドし完成。(シールドはアルミ箔とディスク部と接置させている。)

上記の流れで完成だが、マイクのハウジングは自由に工作して良い。ピエゾディスクの金属板は振動を受けるセンサー部なので貼り付けるものにより音質が左右される、あまり質量があるとマイクの感度を下げるので注意が必要。

Research on Contact Microphones|コンタクトマイクについて考察。

普段、私たちは空気中の音(音圧)を耳で捉え聴く事ができます。一般的に使用されるマイクはそれらの音圧を電気信号に変換し録音しますが、コンタクトマイクは固体振動を電気信号に変換し録音します。

固体音についての記事は下記にてまとめています。
固体の音と液体の音|Contact Microphone and Hydrophone

コンタクトマイクにはピエゾ素子(圧電素子)がよく使用されています。構造はとても単純で、この圧電素子に物理的圧力(ストレス)がかかると電荷し、逆に電流を流すと振動します。このため、振動を拾うコンタクトマイクや音のなるブザーなどに使用されます。(“ピエゾ ”という言葉は、“圧力”を意味するギリシャ語から生まれた。)

ピエゾ素子について。

ピエゾ素子は、圧力や振動などの物理的な変化を電気信号に変換するセンサーです。高感度で広い周波数帯域に対応できるのが特徴。最も一般的な形は金属ディスク型。そのほかにシリンダーやフィルムなどの形状もあります。ピエゾディスクはコスト効率がよく、非常に安価で入手するのも容易です。

一般的にピエゾ素子はそれだけで音を感知することができますが、音質のこだわりを出すのであれば、解決すべきいくつかの問題があります。

ハムノイズ – Hum Noise

ピエゾディスクは、浮遊する電磁干渉を受けやすくハムノイズを拾います。ハムノイズは通常、50Hzまたは60Hzの周波数で発生します。一般家庭用の電力の周波数に対応します。この低い周波数ノイズはブーンという持続的なノイズが特徴です。

解決方法としては、先ほどのマイク制作にも施したシールドを設置します。ピエゾディスク接合、グランドに接続されている要素を銅テープなどで覆います。こうすることで、シールドされたケーブル同様に電磁干渉を防ぐことができハムノイズを抑制します。

共振 – Resonance

ピエゾディスクはディスクの大きさに応じて変化する共振があります。金属ディスクそのもの固有振動数に等しいまたは近い振動を外部から受けると振幅が増大し、金属的な音を発します。

解決方法としてはディスクの質量を増やすことで共振を減らすことができます。プラスチック板や金属板など硬い素材をディスクの底面に接着します。ピエゾ素子自体の感度の低下に繋がりますが共振を抑えることができます。また、セラミックを中心として、左右の金属部の端を切り取ると共振が抑えることができます。(セラミック部分を切り取らないように注意が必要です。)

抵抗 – インピーダンス

ピエゾ素子はわずかながら静電容量を持ち、そのインピーダンスは周波数に反比例します。いわゆる、周波数が低いほど、インピーダンスが高くなり、低音域が消えてしまいます。また、コンタクトマイクのインピーダンスは一般的なオーディオ入力に一致していません。

一般的なオーディオ機器はロー出しハイ受けと言われ、出力側のインピーダンスが低く、入力側のインピーダンスが高いことで、信号の劣化を防いだり、負荷を軽減し、信号の忠実度向上につながります。

解決方法としては、インピーダンスマッチングを行うため、出力する際にインピーダンスコンバーターやバッファプリアンプを使用します。これにより、ピエゾ素子の自然な周波数応答が維持されます。

コンタクトマイクにおけるインピーダンスについて詳しく下記記事にまとめています。(ABテストによる音の確認)
Impedance transformer for contact microphones

Resources

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